どんぐり物語
たった1つの
どんぐりから始まった。
どんぐりを通しての
遊び・学びが
とても面白かったので
紹介します。
発端は、
1人の女の子が持ってきた
1つのどんぐりでした。
「せんせー、
内緒でどんぐり植えたの!
どんぐりの森になるかな」と
女の子がこそっと
いたずら顔で教えてくれました!
持ってきたどんぐりを
砂場のカップを
プランターに見立てて
どんぐりを蒔いて
そして水もかけました
早く芽が出るようにと
トトロで見た歌と踊りもして
そして最後には、
他のお友達に
見つからないように隠して!
秘密のどんぐり植えを
楽しんでいました。
次の日は、
午前中あいにくの雨で、
どんぐりを見に行くことが
できません。
お弁当の後、
雨が止むと
すぐに園庭に
駆け出して行きます
「せんせー、芽が出てない!」
その声に反応して男の子が声を掛けます
「水はあげたの?」
「あげたよ!たっぷりと!」
「でも、チューリップのときは、
下から水が出てきたよ!
これは、出てこない!」
子どもは
本当によく見ていて
そしてよく気がつきます!
チューリップのプランターに
水やりをしていたことを
思い出して
その時の状況と
今の状況を
比べていました。
このようにして、
どうやったら芽が出るのかを
学んでいるのです
新しい幼稚園教育指導要領の
「育みたい資質・能力」の中に
「自然との関わり生命尊重」が
あります
身近な動植物に
心を動かされる中で、
生命の不思議さや
尊さに気づき
身近な動植物への
接し方を考え
命のあるものとして
いたわり
大切にする気持ちを持って
関われるようになります。
それだけではありません。
お友達とのやり取りの中で
言葉で伝えることの大切さや
楽しさをも感じていきます。
お弁当の時間に
男の子が
「あれじゃ、芽が出ないよ!
日の当たる場所にしないと!」
なるほど!
よく考えています!
でも女の子は
「なんで、言うの。
秘密って言ったのに!」
との返答!
あぁ、なるほど!
お友達との秘密を
楽しんでいるんですね。
「お友達との秘密の遊び」と
「本当に芽を出したい遊び」と
両方とも気持ち、わかりますね。
言葉による伝え合いの中で、
お友達の気持ち
自分とは違った思いに
気づいたり
その思いを受け入れる
人間関係を築いていく
コミュニケーションを
育んでいきます。
また、担任からの仕掛けで、
近くに植物の図鑑を
そっと置いておきました
その図鑑に気がつき、
そっさくどんぐりを図鑑で調べます。
すると、
水彩栽培でも
芽が出ることがわかった子ども達
さっそく試してやってみると
「明日芽が出るかな~」なんて、
わくわくしながら
どんぐりを見つめていました!
その次の週
2階の年中さんを覗くと
どんぐりの観察部屋が出来ていました!
きちんとテーブルには、
図鑑とどんぐり
そして 虫眼鏡まで!!
芽が出るのが
待ち遠しい気持ちが
伝わってきます。
様々な事を試しながら、
どうすれば芽が出るのか
調べて、やってみて、
失敗して、
また調べて、考えて
新しい事を試してみて
このような繰り返しの中で
思考力が育まれていきます。
1つのどんぐりから
たくさんの事を学んだ子ども達
これから芽が出るのを楽しみに、
そして芽が出たときの
新しい学びを楽しみにしています。